新しい記録の方法
【第9回 美術を語る茶会】
開催地:トキハ別府店 7階
参加者:4名
今回の茶会は若いアーティスト野口竜平くんの独壇場でした。この茶会のレポートでは個人名は出さないつもりで書いていましたが(いちいち確認を取るのが面倒だから)、彼はいま個展を開催しているのでその宣伝も兼ねて、というより彼の作品の話を聞くだけでまるまる1時間終わってしまったので、それしか方法がないので個人名を出します。
という訳で今日は野口竜平くんのお話です!
彼は別府の商店街をタイヤを引いて走る、というパフォーマンスをほぼ毎日1時間半、1カ月ほど続けていました。今回の個展はそれに関する展示となりますが、テーマは単純ではありません。
彼はパフォーマンスアートとリレーショナルアートとアートプロジェクトの共通点は、鑑賞者が重要な位置を占める事であり、表現者と鑑賞者の間に出来上がる空間が、その作品の最も大切なものであると話していました。そしてまたそこには、記録という問題がある、その様な空間は写真や映像やテキストでは、最も本質的な部分が全く抜けてしまう事がある、或いは意図的な「編集」により別ものになってしまう、と彼は言います。
ここでの編集者は作家本人も含まれるというのがとても面白く感じました。確かにその作品が、表現者と鑑賞者の間に生まれる空間が本質となる作品であるならば、作家本人であろうとその意図を介在させてしまう「編集」は作品を別ものにしてしまうでしょう。そして彼はパフォーマンスアートをはじめとする3つのアートがその様なものだと主張します。
彼は今回の個展で、パフォーマンスを目撃した時に生まれる空間と同質のものをギャラリーに定着させたいと考えているようです。一方的な記録の展示ではなく、そこにもそれが作品の本質となり得る表現者と鑑賞者の間に生まれる空間を作り出そうとしています。
その空間、その新しい記録の方法、これが彼の個展のテーマです!!(たぶん)
別府 スタジオ風穴にて14日まで。
乞うご期待!
<連絡>
竜平くん、なんか間違いがあったら言って下さいね。
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